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●パワフルなWindowsタブレット、しかもLTE SIMロックフリー対応
「いつでもどこでもパワフルに使えるタブレットが欲しい」――そんなユーザーに注目なのが、デルの10.8型Windowsタブレット「Venue 11 Pro 7000(7140)」だ。プロセッサにタブレットとしては高性能なIntelのCore Mを採用し、4G LTE対応のSIMロックフリーモデルを選択できるという国内市場では希少な製品となっている。
【そのほか、LTE SIMフリー+Core M搭載Windowsタブレット「Venue 11 Pro 7000(7140)」の写真やテストスコア画像】
今回試用したのはそのSIMロックフリーモデルで、2コア/4スレッド対応のCore M-5Y10(800MHz/最大2.0GHz、4Mバイト3次キャッシュ)、4GバイトLPDDR3メモリ、128GバイトSSDを搭載する。現在販売中のモデルはCPUがCore M-5Y10cに変更されており、デルの直販価格は9万3980円(税別/配送料込)だ。
Core M-5Y10cはCore M-5Y10に比べて、内蔵グラフィックスのベースクロックを300MHzに高速化している(Core M-5Y10は100MHz)が、それ以外の基本スペックは変わらないので、ほぼ同程度の性能とみていいだろう。そのほか、Core M-5Y71(1.2GHz/最大2.9GHz、4Mバイト3次キャッシュ)や64GバイトSSDを搭載したモデルもある。
デルの直販サイトでは、個人/法人向けページのどちらからでも購入できるが、Venue 11 Proの新旧モデルが混在して販売されている。今回レビューする新型(7140)は「新しいVenue 11 Pro 7000」シリーズという表記なので、間違わないように注意が必要だ。
●先代機からアーキテクチャ変更で薄型軽量ボディに
Venue 11 Pro 7000(7140)の本体は、エッジに丸みを持たせたタブレットとしてオーソドックスなフォルムだ。ボディカラーはブラックのみで、カラーバリエーションはない。側面から背面を縁取るようにメタリック調で仕上げており、背面の中央部はラバー調の塗装でグリップ力を高めている。全体的な高級感はなかなかのものだ。
本体サイズは約279.8(幅)×176.4(高さ)×10.75(奥行き)ミリ、重量は約757.3グラム。TDP(熱設計電力)が4.5ワットと低いCore Mプロセッサを採用したことで、パフォーマンスと省電力を両立させつつ、ファンレス設計で騒音が出ないボディも実現しているのが見逃せない。
先代機のVenue 11 Pro 7000(7130)は、TDPが11.5ワット(SDPが6ワット)の第4世代Core i3/i5 Yプロセッサ(開発コード名:Haswell)を採用したモデルで冷却ファンを内蔵していたため、これと比較して、厚さは約30%(約5ミリ)薄く、重量は約76グラム軽くなっている。さらに実測での重量は735グラムと、公称値より20グラム以上軽かった。
10型クラスのタブレットではまだ大型の部類に入ってしまうものの、Windowsタブレットで採用例が多いAtomプロセッサ(SDPが2~2.2ワット程度)より高性能で消費電力(発熱)も高いCore Mプロセッサを採用している点、10.1型ではなく10.8型とわずかに大型の液晶ディスプレイを採用している点、そしてLTEモジュールの内蔵による重量増を考慮すれば、十分満足できる重さだろう。
公称のバッテリー駆動時間は最大8.3時間だ。保守サービスでのメンテナンス性に配慮して、背面のカバーは工具いらずで取り外すことができ、カバーを開けると、38ワットアワーのリチウムイオンバッテリーが現れる(バッテリー自体はネジ止めされている)。ただし、ユーザーによるバッテリーの交換はサポートされていない。
本体の充電は側面のMicro USB端子から行う。付属のACアダプタは23.4ワット出力で、実測でのサイズが72(幅)×22(奥行き)×55(高さ)ミリ、重量が本体のみで150グラム、電源ケーブル込みの総重量で192グラムだった。ACアダプタ自体は小型軽量だが、電源ケーブルが3ピンでかさばるのは惜しい(そのぶん、ケーブルの耐久性は高いが)。
●10.8型フルHD液晶ディスプレイの視認性は?
液晶ディスプレイは静電容量式の10点マルチタッチに対応し、1920×1080ピクセル表示の10.8型ワイドパネルを搭載する。画素密度は約204ppi(pixel per inch:1インチあたりのピクセル数)と高精細で、視野角は上下/左右とも160度、最大輝度は400カンデラ/平方メートルと、視認性の比較的よい仕様だ。
アスペクト比が16:9なので、縦位置で利用すると横方向が狭く、主に横位置で使うことになるだろう。液晶ディスプレイのフレームは太めにデザインされており、狭額縁デザインのような新しさはないが、どの方向から持ってもしっかり握れる。
さて、実際の視認性を確かめるため、照度計(Zhangzhou WeiHua Electronics製LX-1010B)を使って、液晶ディスプレイの明るさを計測してみた。液晶ディスプレイの輝度を100%に固定し、全画面に白を表示したまま、中央部で計測したところ、結果は344ルクスだった(液晶ディスプレイの輝度仕様に使われるカンデラ/平方メートルではない点に注意)。屋内では十分な明るさだが、明るい屋外ではやや暗く感じるかもしれない。
なお、ハードウェア情報ツール(HWiNFO64)で調べたところ、内蔵の液晶ディスプレイは、Samsung製(Unknown Model:SDC4C48)で2014年製造と表示された。
●SIMロックフリーをはじめ、タブレットでは充実の装備
無線モジュールは、Intel Dual Band Wireless-AC 7265を内蔵する。これにより、IEEE802.11a/b/g/n/acの無線LANとBluetooth 4.0を標準搭載し、高速なワイヤレス環境を整えた。4G LTEモジュールはTelit LN930-LTEを内蔵しており、SIMロックフリーの4G LTE通信が可能だ。LTEの周波数帯はBand 1~5、7、8、13、17、18、19、20をサポートしており、MVNO各社のSIMが利用できる。
タブレットに欠かせないセンサー類は、加速度、ジャイロ、近接を内蔵。約800万画素のメインカメラ(IMX 175)、約200万画素のインカメラ(OV 2722)、microSDメモリーカードスロット(最大64Gバイト)、USB 3.0、Micro HDMI出力、ヘッドフォン/ヘッドセット共用端子、ステレオスピーカー、ノイズリダクション付きデュアルマイクも備えており、Windowsタブレットとして充実した装備だ。
●純正アクセサリで「3つのデバイスを1台に」を実現
デルは、Venue 11 Pro 7000(7140)の特徴として「3つのデバイスを1台に」というキーワードを掲げており、(1)タブレットの携帯性、(3)Ultrabookの高性能、(3)デスクトップの操作性を1台に集約したとしている。ただし、この3つの要素を実現するには、外付けキーボードやドッキングステーションなど、別売の専用アクセサリが必要だ。
外付けキーボードは、本体と合体してクラムシェルノートPCのように使えるバッテリー内蔵の「Dellモバイル型タブレットキーボード」、薄型軽量で画面カバーも兼ねる「Dell薄型タブレットキーボード」の2種類を用意しており、好みにあった使い方ができる。従来型PCとの高い互換性が魅力のWindows 8.1タブレットでは、キーボードが必須アイテムと言えるだけに、2種類の専用オプションから選べるのは大きなアドバンテージだ。
ドッキングステーションは、有線LAN、HDMI出力、DisplayPort出力、2基のUSB 3.0を搭載し、ネットワーク、デュアルディスプレイ、キーボード、マウスなどのデバイスを一度に接続できる「Dellタブレットドック」を用意している。
そのほか、ペン入力のための「アクティブスタイラス」、スタンド内蔵ケース「Dellタブレットフォリオ」などの純正アクセサリがある。
●ファンレスボディに内蔵したCore Mのパフォーマンスは?
ここからは、各種ベンチマークソフトでVenue 11 Pro 7000(7140)の実力を見ていこう。基本スペックをおさらいすると、Core M-5Y10(0.8GHz/最大2GHz)、4Gバイトメモリ、128GバイトSSD、64ビット版のWindows 8.1を搭載する。
参考までに、実施するベンチマークテストによっては先代機である「Venue 11 Pro 7000(7130)」のスコアと比較した。7130のスペックは、Core i5-4210Y(1.5GHz/最大1.9GHz)、4Gバイトメモリ、128GバイトSSDを搭載する。
まずはPCとしての基本性能をチェックするため、Windows 8.1では標準機能から省かれているWindowsエクスペリエンスインデックスのスコアを「WIN SCORE SHARE」(コードリウム)で計測した。結果はプロセッサが7.0、メモリが5.9、グラフィックスが5.5、ゲーム用グラフィックスが5.0、プライマリディスクが8.2で、タブレットとしては良好なパフォーマンスと言える。
CPU性能をチェックするCINEBENCHの結果もWIN SCORE SHAREと似た傾向だ。CINEBENCH R11.5ではVenue 11 Pro 7000(7140)のCPUが2.14pts、シングルコアCPUが0.94ptsと、Core i5-4210Yを搭載する先代機(7130)のスコアを32%も上回っている(7130の結果は、CPUが1.62pts、シングルコアCPUが0.84pts)。CINEBENCH R15についても、CPUのスコアが約19%高い結果となった。
ストレージ性能を評価するCrystalDiskMarkのスコアもタブレットとしては高い。先代機に比べて全体的に少しだけ低い値ではあるが、M.2フォームファクタのSerial ATA SSDを搭載しているので、標準的なタブレットに採用されているeMMC(embedded MultiMediaCard)のストレージとは、一線を画す高いスコアが得られた。なお、評価機が内蔵しているSSDはSanDiskの「X110」だった。
PCの総合的な性能を計測するPCMark 7のテスト結果は、総合スコアが4103と高く、Windows 8.1の一般用途で十分快適に使えるだけのスペックが裏付けられた形だ。先代機の総合スコアは3739なので、これを着実に上回っている。テスト結果の詳細を確認すると、CreatuvityとComputationスコアが優れていた。
3Dグラフィックス性能を調べる3DMarkでは、Direct X9相当テストのIce Storm、Direct X10相当テストのCloud Gateともに良好なスコアだ、CPU内蔵グラフィックスがIntel HD Graphics 5300に進化した効果が現れている。Intel HD Graphics 4200を利用する先代機との比較では、Ice Stormで43%、Cloud Gateで32%もスコアがアップした。
ゲームベンチのFINAL FANTASY XIV:新生エオルゼアベンチマーク キャラクター編(FF14ベンチ)も実施した。1920×1080ピクセルでの設定では、高品質、標準品質とも設定変更が必要なものの、1280×720ピクセルの標準設定では「普通」に楽しめるという結果だ。タブレットでもこれくらいのゲームを動かせる描画性能を備えているのは頼もしい。
●バッテリーの実駆動時間、ボディの発熱もチェック
Webブラウズとテキスト入力を想定したバッテリー駆動時間テスト(BBench 1.01)を実行したところ、輝度40%の状態において、満充電から残り5%で休止状態に移行するまで5時間29分動作した。測定条件が異なる公称値の約8.3時間と比べると、やや短い結果だ。
Core M-5Y10搭載のVenue 11 Pro 7000(7140)はファンレス設計なので、動作時の騒音は発生しない。ボディの発熱については、高負荷時に背面の左上部が温まりやすく、右手で横に持っているとじんわり熱を感じる。
室温18度の環境で放射温度計(シンワ製)を使って、FF14ベンチを2回連続して実行した後に簡易測定したところ、44.4度(背面左上部)が最高温度で、ほか23.3度(背面右上部)が最低温度だった。高温部は限定的なので、それを避けるように持ち方を工夫すればよいだろう。
CPUID HWMonitorで内蔵パーツの温度もチェックした。最高温度はメインボード部分で89度となった。Tjunction(最高動作温度)の95度までは若干の余裕があるものの、これからの暑い季節に高負荷の処理を連続して行うようなシーンでは、少々気になるところだ。ここはCore Mの採用によるファンレス設計(ファンで自ら冷却できない)とのトレードオフと言える。
●パフォーマンス志向のWindowsタブレットとして有力なモデル
Venue 11 Pro 7000(7140)は、Windowsタブレットで貴重なLTE SIMロックフリー対応モデルを選択でき、電力効率に優れたCore Mプロセッサ、M.2フォームファクタのSerial ATA SSDなど、スペック面での優位性も目を引く。10.8型タブレットではまだ大柄の部類とはいえ、先代機のVenue 11 Pro 7000(7130)で弱点だった「比較的重い」「冷却ファン内蔵」「控えめな性能」といった部分を着実に改善しており、完成度は高まった。
もちろん、デルならではの優れたコストパフォーマンスも見逃せない。最小構成は8万2980円からで、今回試用した「4G SIMフリーモデル」も9万3980円(いずれも税別、送料込)で購入できる。さらに法人モデルはWindows 8.1 Proを選択でき、1年間のオンサイト(訪問修理)サービスも標準保証に入っている(個人モデルは1年間引き取りサービスが標準)。オフィススイートについては、Office 2013やOffice Premiumを選択可能だ。
Venue 11 Pro 7000(7140)は、通信環境を常に確保しつつ、タブレットでもストレスなくOfficeをキーボードとタッチで使いこなしたいビジネスユーザーから、大画面でエンターテインメントコンテンツを存分に楽しみたいという一般ユーザーまで、しっかりカバーできる製品に仕上がっている。
特にLTE対応のSIMロックフリーで高性能なWindowsタブレットを探しているならば、有力候補として挙げられる1台だ。
引用:LTE SIMフリー×Core Mで攻めるWindowsタブレット――「Venue 11 Pro 7000」徹底検証